日別アーカイブ: 2021年5月5日

トップスピンはビギナーの打ち方である。

そうかバカにされていたのか、

20代の頃の私は、ヤマハのプロトEX110が好きで(完全にデザインで選んでました)、スピンこそテニスの本流だと言わんばかりに、ボールをただ擦り上げていました、

その頃、ある夕暮れのテニスコートで、姿勢が良くスラっとした上品な人から、「あなたすごいスピンね、羨ましいわ」と言われました、

その時は、褒められていると鼻高でしたけど、

あれから20年以上経って気がつきました、

あの言葉は、「まだまだビギナーね、」ってバカにされていたのだ、

テニスを長くやっている人はどこか無意識に、こう感じている人が多い筈だ、

『スピンに頼るテニスは美しくない』

しかしスピンはテニスの為に、必ず習得しなければならない、

これは基本技術なのだ、

だからテニススクールでは、盛んに下から上にラケットを持ち上げるスピンの打ち方を教える、皆それが出来ないと、

ストロークが続かない、レッスンが成り立たない、楽しくない、イコールビジネスとして継続出来ないのである、

一面に10人前後入る日本モデルでは、必須な技術なのだ、

批判や誤解を恐れずあえて言わせていただくと、

トップスピンはビギナーの打ち方です

確かにトップスピンをかければ確実に、ボールはコートに入る、

まるで毎朝同じ時間に同じ満員電車に乗って、上司のご機嫌取りをしながら定年まで一生懸命頑張る、

日本人的なテニスに思えて仕方がない、身体を壊しそうだ、

そもそもスピンに頼るテニスのまま、周りのレベルが上がっていくと様々なデメリットが起こる可能性があります、

1、ボールは入るが失速する、
2、強く打とう、打ち負けない様にしようと筋力に頼り強く振る、
3、手打ちと上下運動に耐えられない
4、手首、肘、腰、膝を壊す、
5、心身に負担が大きく勝てないと燃え尽きやすい
7、ガットが切れやすいから価格ばかり気になり自分を卑しく感じる、

身に覚えがある人も多いのではないでしょうか?
実際テニスエルボーで悩む人はどんどん増えている印象です、

仕事としてテニスで勝つことを余儀なくされるプロや、勝たなきゃ推薦をもらえないジュニア選手は仕方がないとは思いますが、

テニスが好きで、このまま命尽きるまでテニスを堪能したい愛好家が、トップスピンをかけて、ガットが早く切れる様になって、硬くて切れにくいポリエステルを張って、

飛ばなくなっていることに気が付かずに、さらにガンガン打ちづける、

このままでは、限界を感じてテニスから去る人が増えるのではないかと危惧しています、

では、ビギナーから卒業して目指す美しいテニスとは?

フラットドライブのテニス

1、時々目の覚めるようなエースを打てる
2、ストロークからボレーへチェンジがスムース
3、予測が重要になるから達人を目指せる
4、疲れないから怪我も少なくなる
5、勝ち負けより美になるから燃え尽きない
6、一生テニスを続けられる可能性が高い、
7、ガットが切れないから、高級なナチュラルガットも張れる、

コロナ禍が続き、ネットで情報を見聞きするテニスプレーヤーが激増しています、

しかしそこはスピン信者様の情報が圧倒的で、それに影響されて道具を選ぼうとするお客様も増えています、

警鐘といえば大袈裟ですが、体力や可能性に合わせた自分だけのテニスの価値観を育てて、長く長くテニスな人生を続けていただければと願っています、

西山克久