私の最初の職場ではナチュラルガットを張れるストリンガーは、特別な存在でした。
私もストリンガーになるために1年間の修行を積み、仕事として張り始めてから、さらに1年以上の経験を重ねて、ようやく師匠からナチュラルガットを張ることを許されました。
それほど、ナチュラルガットは繊細で、扱いの難しいガットだったのです。
今では当時に比べて張りやすくなった部分もありますが、繊細なガットであることに変わりはありません。
だからといって、必要以上に怖がることもないと思っています。
失敗を恐れず、一本一本の作業を丁寧に進めること。
基本を守り、ガットの状態をよく見ながら張ること。
長年の経験を振り返っても、結局はそうした積み重ねが大切なのだと思います。
ガット張りは、ただラケットにガットを通していく作業ではありません。
ガットの特性を理解し、一本のラケットを仕上げる責任を持つこと。
これからも、その基本を忘れずに張り続けていきたいと思います。
西山克久







