日別アーカイブ: 2019年10月25日

あなたのラケットの半分は私で出来ている。

ずいぶん雨が続いている気がしますが、相変わらずガットをお張りし、足や靴の相談に耳を傾けたりしております、

みなさんお元気でしょうか?

テニス専門店の主な仕事は、ラケットにガットを張り上げることです、それを専門にしているからテニス専門店と呼ぶ価値が生まれます、それを職業にしている人をストリンガーと呼びます、

今は誰でもネットショップが作れる時代、ラケットだけを売って、張りはフリーランス的な業者に依頼する様な業態もあるようですが、我々とは違います。

私は20代前半で転職しました、もちろんテニスは好きでしたが、それよりもガット張りに興味があって、この世界に飛び込みました、

幸いにも師匠が有名で厳しい人で、セッティングから始まり、縦糸だけを張って、戻してまた初めから、次に結び目練習、縦糸を張って、結んでそれを切ってまた最初から…..永遠とこの繰り返し、この練習ばかりで半年近く修行したかもしれません、おかげで最も大切な縦を張る技術が体に染み込みました、

理屈やノウハウで張りは上手くなりません、

数年後同業の大きな専門店系で働く人と話しをした時に、「僕なんか、張ったことないのに初日からお客さんのラケット張ってましたよ」と聞いて、腰を抜かしましたけど(笑)

「ボールを打つのはラケットではありません、ガットです」

一般的には、ラケット50+ガット張り方50=100%ラケットの性能と言われますが、実際には、60%以上はガットの選定+張り(ストリンガーの技量)に依存している、多くの専門店のストリンガーはそう心に秘めていると思います。

「あなたのラケットの半分は私で出来ています。」

張っていると、どうしてもこんな気持ちになってしまいます、
テニスを始める初心者の方のラケットでも、プロテニス選手のラケットでも、「このラケットの半分は私で出来ている」そう感じて張りますので、いつも緊張します。

あなたのラケットは誰に託していますか?

西山克久

ラフィノストリンガーチーム。
http://www.lafino.co.jp/fs/tennisshop/haridai